公益社団法人京都保健衛生協会
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キイロスズメバチ
特徴
キイロスズメバチ 他の大形のスズメバチ類とは、体色の黄色が強いことから飛んでいてもキイロスズメバチであることが分かります。
厳密には,腹部末端が黄色であること,頭部の単眼の周りが黒いことなどが特徴です。
また,少し専門的になりますが,胸部の後方ある小楯板が黄色ぽいことも特徴の一つです。
スズメバチ類の中で大形の巣を作ります。5月頃に越冬から覚めた女王バチが巣作りを始めます。最初は女王バチが1匹で巣作りを始めるためなかなか進みません。ところがやがて働きバチが巣の中に生まれてくると, 巣作りは急ピッチで進みます。9月の終わりから10月ごろにかけて最も大きくなります。画像の巣は、軒先に出来たい巣をの鋸で切り離してきたものですから上下逆さまになっています。また,中の巣盤が見えるように表皮を一部削ってあります。この巣は,晩秋に巣の中に女王バチや働きバチがいなくなってから採集したものです。幾重にも巣盤があるのが分かりますし,外皮も幾重にもなっているのが分かります。巣盤の表面に白い物がありますが,サナギの繭で,その中のサナギは羽化できなかったと思われます。
被害
スズメバチ類に刺されることは,決して珍しいことではないのですが、特にキイロスズメバチは,群れをなして行楽客やハイキングの人々を襲うことがあり,新聞やテレビのニュースになることがよくあります。
最近では,京都市内で平成21年8月下旬に東山区で50人の方がキイロスズメバチに襲われるという事故がありました。夏休みが終わり,学校に登校する途中で襲われました。キイロスズメバチの巣は9月頃に最も大きくなるといわれています。大きな巣では1,000匹以上に働きバチがおり,人が巣にイタズラなどすると一斉に巣から飛び出して攻撃してきます。