公益社団法人京都保健衛生協会

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セアカゴケグモ
特定外来生物
「特定外来生物による生態系にかかる被害の防止に関する法律」という法律があります。この法律の中で外国から侵入してきて,日本に定着した生物のうち,人の健康に影響を及ぼす生物,経済上の問題を起こす生物,生態系(自然)影響を及ぼす生物が「特定外来生物」に指定されています。
1995年,大阪府かで最初に発見されたときは,アーストラリアから来た強烈な毒グモとして紹介され,オーストラリアでは過去に多数の死者が出たことがあると紹介されたものですから,日本中がパニックになったほどでした。しかし,その後,大阪府公衆衛生研究所からネズミを使った実験の結果「毒性は低く,重症になることはない」と発表されパニックは収束に向かいました。
特徴
セアカゴケグモ雌
セアカゴケグモ雌
体長は1cm程度です。
名前のとおり背中の赤い模様が特徴的です。
セアカゴケグモ雄
セアカゴケグモ雄
体長は4mm程度です。
雄の背中は白い模様です。
セアカゴケグモ幼体
幼体
雄と雌の区別はできません。
腹部の模様も成体とは異なります。
セアカゴケグモの雌の腹部の砂時計模様
セアカゴケグモの腹部の
下面の砂時計模様

「属」という名前で生物をグループ分けにすることがあります。セアカゴケグモは,ゴケグモ属というグループに属します。腹部の下部の砂時計模様が属の特徴です。
京都市内定着物
京都市内でも2006年10月20日に南区で発見されました。下は,そのことを報じた新聞記事です。ところが同じ日に京都市伏見区でも発見されました。
京都新聞の記事
生息場所
テニス場
京都市内で最初にセアカゴケグモが
発見されたテニスコート
ベンチの裏側
テニスコート内のベンチの
裏側のセアカゴケグモの巣
テニス場のポールのジョイント部分
ポールのジョイント部分で見つけた
セアカゴケグモ
セアカゴケグモの巣は,極めて不規則です。これらの画像のように人工物のコーナーや間を利用して巣を作り,産卵したり,巣の近くをとおる餌(昆虫など)が来るのを待っています。
対策
市販のスプレー式殺虫剤をセアカゴケグモに向けて散布すると効果はあります。
庭仕事の最中にうっかりつかんでかまれたり,靴の中に潜んでいるのに気が付かず靴を履いてかまれたりしたなどの例があります。セアカゴケグモが生息地域では十分に気をつけましょう。
今のところ重症例を聞いていませんが,セアカゴケグモにかまれたら, 医師の診察を受ける方が良いでしょう。なお,診察を受ける時には,かんだセアカゴケグモを踏み潰すなどして処理してからセアカゴケグモを持参して,医師の診察を受ける方が良いでしょう。
これからセアカゴケグモがどんどん増えて,2度3度かまれることによって症状が悪化することも考えられます。十分に注意しましょう。

緊急情報提供
平成24年の秋になって比較的面積の大きい場所に新しいセアカゴケグモの発生源が確認されました。伏見区に1箇所,左京区に2箇所です。いずれも多数の雌成体が確認されることから,既に定着しているとの判断しました。いずれもセアカゴケグモが発見された場所の多くは,水が溜まっていない雨水側溝のフタの部分です。今までの発生源の幾つかと同じような生息場所です。
効果的な駆除のためには,早期発見早期対策が重要です。
大きな敷地の 学校,公園,広場などを所有されている管理者の方は,年に1回程度のセアカゴケグモ生息調査を実施されると早期発見につながります。駆除作業の軽減にもつながります。
生息調査
なお,当協会も多くのセアカゴケグモの駆除の経験があります。早期発見のための調査なども行っていますので御利用ください。