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アメリカミズアブ
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第2次世界大戦後アメリカから日本に侵入してきたといわれています。また,幼虫は汚水に発生することが名前のいわれです。
特徴
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相談事例の多くは,幼虫です。雨水マスやマンションの排水口などからサナギになるためだと思うのですが,大量にはい出してくることがあります。この写真の幼虫は,浄化槽に発生していたもので,体長は23mmでした。黒い色でもぞもぞと動く様子は,気持ち悪いものかもしれません。
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この成虫は,サナギから羽化させたもので,体長は19mmでした。体色は,黒ですが,腹部の矢印の辺りに透明感のある白色の斑紋が左右にあります。残念がら,この画像では明瞭に見えません。
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昆虫の成虫では,翅(はね 昆虫ではこの漢字を使うことが多い)に脈があります。翅脈といいます。翅脈の形状は,多くの昆虫の種類を分ける場合,非常に参考になります。アメリカミズアブとよく似たコウカアブという種類がいますが,中室からでる脈(赤の矢印)がアメリカミズアブでは4本,コウカアブでは3本と異なります。
被害
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アブという名前がつきますが,山間部や農村部で人を襲い,吸血するアブの仲間ではありません。どちらかというとハエに近い生活をしています。京都地方では,夏の終わりから秋にかけて,幼虫がサナギになるために生息する水の中から大量に這い出して人を驚かすことがあります。「不快害虫」と呼ばれます。こうした庭や道路に這い出してきた場合,ほうきなどで集め処分する程度でよいでしょう。多くの場合,数日で治まっているようです。
発生源
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文献には,汲み取り便所,畜舎の糞,ごみダメなどが発生源だと書かれています。経験した幾つかの事例では,道路脇の落ち葉やごみの溜まった雨水マス,側溝が発生源でした。また,家庭用浄化槽で多発することも知られています。浄化槽で発生すると配管をさかのぼり,トイレの便器内部に出てくることがあります。少し,もったいないですが,その都度,流しましょう。便器から這い出した場合は,箒などで集めて処分する程度でよいでしょう。
殺虫剤
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ハエの仲間ですから,殺虫剤は効果があると思われます。ただ,浄化槽に発生した場合,浄化槽に殺虫剤を散布すると中で有機物を分解してくれているバクテリアに影響があることが予想され,好ましくありません。
また,バクテリアに影響の少ない昆虫のホルモンの作用を利用した殺虫剤もあります。
特に問題がなければ,様子を見るのも方法の一つです。