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キアシツメトゲブユ
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ブユの幼虫は,山間部の河川の急流部で生息するといわれています。これは,水中の溶存酸素を多く必要とするためです。こうしたことから,今から50年以上前まで,京都市の洛北地域の鞍馬や大原では,ブユの被害が頻繁に起きていました。吸血に来る種類は,ニホンヤマブユでした。
時代まつりでの大原女の装束は,ブユの被害に遭わないように,できるだけ皮膚の露出部を少なくしたものだったといわれています。最近では,京都洛北の地域でブユの被害に遭うことは,ほとんどありません。ところが,京都市の中心部を流れる鴨川で結構たくさんの幼虫,サナギが採集できます。また,成虫の吸血活動も確認しています。種類はキアシツメトゲブユです。
特徴
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メス成虫の写真です。
名前のとおり脚が黄色いのが特徴の一つです。
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成虫が羽化した後のサナギの抜け殻です。
周りを取り囲んでいるのが繭です。繭の形状は種類によって変化があります。
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幼虫の写真です。幼虫は,河川の中の落ち込みなど水流が早いところに見つけられることが多いです。
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キアシツメトゲブユのいわれは、脚の根元に小さなトゲがあるのが特徴の一つですが,確認するためには顕微鏡が必要です。
吸血被害
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吸血します。蚊は細い管のような器官を使って吸血しますが,ブユは,小さなのこぎりのような歯で人の皮膚を傷つけ,出血してきた血液を舐めます。そのためにブユに吸血された跡は,小さな点の血液が見られます。人によっては激しくはれる人もあります。
日本では人の感染症を媒介するとの報告はありません。