公益社団法人京都保健衛生協会
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ヒラタキクイムシ
  最も有名な家具や建築材を食害する木材害虫です。
特徴
昆虫の仲間に甲虫類というグループがあります。前の翅がかたくなっているグループです。よく知られているカブトムシ,クワガタの仲間です。甲虫の仲間は昆虫の中で最も種類数が多く,繁栄しているグループといわれています。多くの種類が存在するということは,色々な種類が,色々な生活をしているともいえます。今回紹介するヒラタキクイムシは,木材,特にラワン材と呼ばれる木材を加害します。他の甲虫の仲間にはラワン材以外の木材を加害するもの,食品を加害するものなど多様です。特徴を確認し,種類をはっきり確認してから対策を立てる必要があります。

茶褐色で比較的細長い体です。胸部の頭よりの
部分が少し幅広いのが特徴です。
胸部や翅には細かい黄色の毛が生えています。

胸部は台形で中央部が少しへこみます。
触角は,昆虫の仲間を分けるときに重要な場合がよくあります。特に甲虫類の触角は種類を分けるうえでは重要です。ヒラタキクイムシの触角の特徴は,先端から2節が大きく膨らむことです。

頭部の触角の先端から2節が大きく膨らみます。
横に突出する大きな複眼も特徴です。

触角の根元に触角を収納する溝があります。

ベニヤ板の表面の導管
導管とは植物の水や栄養分を運ぶ管

成虫脱出時の木に
穴を開け時に出る粉
対策
駆除が難しい種類です。雌成虫は,導管中に卵を産み付けます。孵化した幼虫は木の中で木を食べて育ちます。そのために木材の上から殺虫剤を散布しても内部に生息している幼虫には効果がありません。春に成虫が出てくると交尾をして産卵します。新しく産卵すると被害が広がります。成虫が木から出てくる時に殺虫剤を散布し,駆除します。