公益社団法人京都保健衛生協会
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ヒトスジシマカ
  最近,都市部で最も問題になっている蚊です。多くの相談があります。
特徴
名前のいわれは,成虫の胸部の一筋の明瞭な白線があることからです。また,脚やの節にも明瞭な白い線があります。体色が黒色であることから目立ちます。
ヒトスジシマカ雌成虫
ヒトスジシマカ雌成虫
胸の白い筋
胸の背面の白い筋
発生源
雨水マス
道路脇の雨水ます
昔は大変珍しい蚊でした。竹やぶや墓地の周辺で限定的に見られる蚊でした。竹の切り株や墓石の水鉢や花立に溜まった水が幼虫の発生源でした。ところが戦後下水道が整備され,道路脇に雨で流れ込む土砂をためるための雨水マスが設置されました。都市部ではその雨水マスに大量の幼虫,サナギが生息しています。下水道の整備は,消化器系の感染症や寄生虫の減少に大きな貢献を果たしましたが,その反面,ヒトスジシマカの生息場所を与える結果となりました。ただ,比較的新しい下水道の敷設に当たっては,雨水マスに雨水がたまらない構造になっています。当然,ヒトスジシマカの幼虫は生息できません。
 また,私たちの身の回りにもヒトスジシマカの発生源はあります。植木鉢の水受け,放置された古タイヤ,空き缶,空き瓶などです。常に水がたまらないように管理しなければなりません。
対策
雨水マスのヒトスジシマカ幼虫を駆除するのには,殺虫剤散布が効果的です。5月から9月にかけて月に1回から2回程度の散布が必要です。成虫は離れたところから飛んでくるので町内会,あるいは小学校区内など一斉で広範囲に実施する必要があります。
室内での被害を防ぐには,網戸が有効です。また,電子蚊取りや蚊取り線香などの色々な種類が売られていますし,効果もあります。ただ,長時間,密閉された部屋で使用するのは避けましょう。
どうしても蚊の多い場所での作業等が必要な場合は,蚊の吸血を忌避する薬剤を使用するのも一つの方法です。