公益社団法人京都保健衛生協会
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イエヒメアリ
特徴

2mm程度の小型のアリです。

触角の先端3節は膨らみます。

頭部や胸部の表皮には
細かなシワのような模様があります。

腹柄は2節です。
被害
人を好んで刺すことは少ないです。刺されてもチックとする程度ですが,人によっては腫れたりすることがあります。
 むしろ被害は,食品に大量に集まり,食害することです。繁殖力が旺盛なのでイエヒメアリが食品に集まる量も中途半端ではありません。さらにこうした被害もさることながら,数千匹以上のイエヒメアリの大群が部屋の中に発生したケースもありました。ここまでくると人を十分に不快にさせる量です。

対策
駆除が困難であると書かれている図鑑や文献もありますが,最近は効果が上がる毒餌(ベイト剤)が開発され,駆除が可能になってきています。ところがベイト剤の駆除で成否を握るのは,ベイト剤を食べてくれるかどうかです。市販されているベイト剤は,アリの好みに合うように色々なタイプが作られています。ベイト剤の効能書きをよく読んで,駆除に適したものを選びます。また,いくら優れたベイト剤でも,餌になる食品類が管理されていないと,なかなかベイト剤を食べてくれません。餌になる食品類の整理整頓も重要です。

イエヒメアリは,家具や壁などの隙間を巣として利用します。そのため,煙の出る殺虫剤を散布しても透き間に生息するイエヒメアリまで殺虫剤が届きにくいようです。

 アリは社会性を持つことでよく知られています。女王アリ,働きアリ,雄アリなど色々な役割をそれぞれが持ち,巣を維持しています。普通,女王アリは,1匹です。ところがイエヒメアリは,何匹もの女王アリが共存し,生活しています。そのため,住宅に進入し,時間が経過し,さらに餌になるものが豊富にあると女王アリや働きアリがどんどん増えていきます。それに伴って,巣分れを繰り返し,多数の巣を作り,生息場所を広げていきます。このような状態になると一つの部屋だけの駆除に成功しても,他の部屋から再侵入が起こります。使用者が異なるマンションでは,それぞれの部屋の駆除を一斉に取り組むことができるかが,駆除の成否を握る重要な鍵となります。